葵said───
この時のあたしは、琉依が日本に帰ってきてるなんて…
まさか、あの様子を見てるなんて…
知らなかった。
「…葵!!!!!」
「な、何よ…」
ただ、最近…
ううん。
メールが来なかったり、電話が来ないのは当たり前だったから、気にしないけど…
でも、なんか違う気がした。
“逢いたくない。”
そう言ってしまったことを謝りたいのに…
連絡が全く取れない。
毎日、琉依の携帯に電話をかけるのが日課になっていた。
そんなある日
紗菜がすごい形相で、教室に飛び込んできた。
これじゃせっかく可愛い顔が台無し…
「何落ち着いてんのよ…!!!」
「へ?」
「こ・れ!!見てみなさいよ!!!」
紗菜の右手には、よく街で見かける雑誌の今月号が握られている。
確か奏恵さんが編集長の雑誌だったっけ?
表紙は綺麗な女の人。
「ったく…表紙じゃなくて……ここ!このページ!!!」
紗菜がすごい勢いで開いたページには、大きく“話題のイケメン君大紹介!!特集”という文字が書かれている。
女子なら誰でも目を惹きそうな見出し。
「あんた…どこまで抜けてんのよ。」
「いや、だって…紗菜がここを見ろって……」
「アホか!普通見るなら、“話題のイケメン君”でしょ?!」
そりゃそうだけど…
前のあたしだったら、飛び付くように見てたけど…
「…興味ない。」
「は?あんたマジで言ってんの?」
「うん。」
「あぁ〜!!もう良いから!とにかく見てみなさい!!!ほら。」
紗菜から手渡された雑誌を、机の上において、目を移した。

