親父がまた転勤することになったんやけど…
俺は、行きたくなかった。
「俺は行かれへん。」
前までの俺なら着いて行ったかもしれへんけど…
そんなこと気にならんぐらい、ここの皆が好きやったから。
両親は最初はビックリしとったけど、俺が寮で一人暮らしするっちゅうことで了解してくれた。
…んは、いいんやけど……
何せ聖蘭学園は正真正銘の金持ち学校。
勿論、学費は半端なく高い。
せやのに、新居の金やら何やらで仕送り出来へんことになってもうて…
高く稼げるバイトを探して、働きまくっとったら……
倒れてしもうたんやな〜……
まぁ、そんなことかっこ悪うて葵には言えへんけど。
「あんな…そういう顔すんなや。」
俺の寝ているソファーは意外にも高いらしく、葵は立て膝をついてこっちを見てる。
それがちょうどええ感じの上目遣いやねん。
「へ…?あっ、ご、ごめん……そんなに変な顔してた…?」
「ちゃうわ」
俺は呆れた顔で、ため息をついた。

