* * *
とうとう琉依がアメリカへと旅立つ日が来た。
「…泣くなよ。」
そんなこと言われても…
悲しいんだ
今まですぐ近くにいたのが当たり前だったのに
これからは何十キロメートルも離れた国に行ってしまう。
すぐには会えなくなる。
なのに、琉依は平気な顔をしている。
琉依は寂しくないの…?
あたしと会えなくなっても平気…なの?
「平気な訳ねぇだろ。」
ギュッ…と抱きしめられる。
甘い吐息が聞こえてきた。
あたしも琉依の首に腕を回して抱きしめた。
「めちゃくちゃ寂しい。本当はずっとここに残っていたい気分。でも…」
「ん…分かってる。」
琉依の気持ちだけじゃないってこと。
琉依のお父さんの会社のことだってある。
あたしだって子供じゃないんだから、そんなこと分かってる。
頭では分かっていても
気持ちでは整理がつかない。

