「店長…あたしやっぱり……「…葵…!!」
“家に戻ります。”
そう言いかけた。
でもそのあたしの声は、愛しい人の声で塞がれた。
ずっと聞きたかった声。
ずっと会いたかった人。
「マジで捜した…」
「ごめ…なさい……」
「お前…本当ムカつく。」
そう言いながら、琉依の強い力で抱きしめられた。
懐かしい琉依の感触。
店長は笑うと、店の札を“準備中”にして店の奥へと入って行った。
「何でいなくなるんだよ…!」
「だって…」
琉依にはもう茜さんがいるから。
あたしは琉依の側にいたい。
でも、そんなこと誰も望んでない。
「お前……見てたのか…?」
あたしは小さく、首を縦にふった。
全部見てたよ。
琉依は茜さんが好きなんだってこともわかった。
だから、もうあたしに優しくしないで…
「お前…なんか誤解してる。」

