「段々慣れてきたじゃん。」
「そうですか?」
「あぁ。手つきも良い感じ。…料理何処かで習ってたのか?」
「いいえ。琉依が…」
「琉依…?」
どうしよう…
思わず出てしまった言葉。
それが弾みになって、今まで溜め込んでいたものが全部流れだしていく。
琉依と過ごしていた日々が頭の中に流れ込んでくる。
「ちょっ…なんで泣くんだよ……」
店長の困惑した声が頭の上から聞こえてくる。
「なんかあったのか……?」
「なんでもない…です…」
「なんでもなくねぇだろ…その“琉依”って奴になんかやられたのか?」
“琉依”という言葉に過剰に反応する身体。
会いたい…
この一週間、忘れられたと思ってたけど
本当は忘れられてなんかなかった。
むしろどんどん琉依への想いが強くなっていく。
何をしていても、琉依と重なる。
もし願いが叶うならば、
もう一度琉依に会いたい。

