「…美味しい!」
「当たり前だろ。俺が作ったんだから。」
上から目線な言い方が琉依と重なって
涙が出そうになる。
「お前、名前は?」
「葵…です。」
「葵か…俺は……店長とでも呼んでくれ。」
店長…
一回呼んでみると、この名前が一番しっくりくる。
「この店の店長をやってるんだ。だから店長。よろしくな。」
「よろしくお願いします…」
店長は髪の色素が薄くなっていて、少しグレーがかった髪色をしている。
イケメンなんだろうけど、何故か店長と琉依の顔が被って、ちゃんと見れない。
でも、きっと琉依よりも5才は年上だと思う。
「お前はなんであんなところにいたんだ?どうみても高校生だろ…?」
「……家の鍵なくしちゃって…」
あたしは咄嗟に嘘をついた。
どうしても、あたしの口から琉依の名前を出すのはまだ出来なかった。

