「…おい。」
「ん…」
「おい。起きろ。」
朝から低い声が耳元で聞こえて、目を覚ました。
いや、もう朝じゃないか……
太陽が真っ直ぐ上に登ってるし。
「お前…俺を無視して自分の世界に入んじゃねぇよ。」
「えっ…だ、誰…?!」
「誰…?!はこっちの台詞。なんで俺の海に勝手に入ってんだよ。しかも寝てるし…」
この海…
この人のなんだ…
「す、すいません…」
「まぁ、別にいいけど…それよりお前、腹減ってねぇ?」
「す、空いてます…」
「素直だな。こっち来い。食わせてやるよ。」
本当なら着いていくべきじゃないのかもしれない。
世の中には良い人ばかりじゃないから…
でも、もうあたしには関係ない。
十分傷ついた。
これ以上傷つくことはない。

