不思議と涙はでてこなかった。
まるでこうなることが分かっていたかのように…
ううん。
分かってたんだ。
あたしなんかじゃ、琉依には釣り合わないこと。
きっと茜さんは琉依の元カノ。
いや、もうあたしが元カノかな…?
あの二人ならお似合いだよね…
あたし…
もう琉依の言葉、信じられないよ………
甘い声で好きだって言ってくれたことも
恥ずかしそうに“結婚して下さい”って言ってくれたことも
全部嘘だったの……?
あたしに向けてくれた笑顔も幻だったの……?
全て茜さんの為……?
「…もう嫌……」
繁華街を通り抜けて、最終電車に飛び乗った。
出来るだけ…
出来る限りこの街から離れたかった。

