「何ため息なんかついてんだよ。」
「ぅわっ…!!」
いきなり背後から先輩の声がした。
その瞬間、体が力強く包まれる。
ふわっと先輩の香りが鼻をかすめた。
「勝手に抱きつかないでください!」
「じゃあ、許可とればいいんだ?」
「そ、それは…」
別に嫌なわけじゃないけど…
いきなり抱きつかれるとあたしの心臓がもたない。
「だってさ、俺から抱きつかないと、葵が触れてもくれないし。…つか、葵から抱きついてくればいいんだけど?」
それはそうなんだけど…
絶対ムリ…!!
恥ずかしくて出来るわけない。
というか、出来ない。
好きだって、
先輩を意識してから、あたしの心臓が鳴り止むことはない。
「せ、先輩」
「ん?」
「明日…楽しみにしてますから。絶対行きます!」
甘えられるのはもう少し時間がかかりそうだけど…
先輩はフッと笑って、さっきよりも強く抱きしめた。
「来なかったら、俺が迎えに行ってやるよ。」
先輩の俺様ぶりはいつになったら、直るんでしょうか……?

