「やっぱり似合わないですよね…」
「そうじゃなくて…葵がロングの時なんか見たことなかったからさ……でも、
すごい似合ってる。」
先輩の声は徐々に小さくなっていたけど、はっきりと聞き取れた。
なんか先輩が照れてると、あたしまで照れちゃう。
「あの…」
「へ?」
「奥様から“早く帰って来なさい”とのご伝言が…」
えっ…
急いで腕にはまっている時計を見る。
「あぁ…!!」
ヤバいヤバい!!!
先輩の家を出た時だって、あんなに遅かったのに…
もうそれから一時間以上も経っている。
外は真っ暗。
「ヤバいですって!先輩帰りましょう!!」
「わかったから、引っ張んなよ。」
先輩は執事さんからの伝言を聞いてものんびりしている。
本当、お坊っちゃんなんだから…
足を怪我しているから、先輩無しで速く歩いて帰るのは辛い。
「早く早く!」

