寒い…
こんなことなら、もうちょっと着込んでくれば良かったなぁ…
「…ほら。」
「ふぇ?」
あたしの体に暖かいものがかかった。
さっきまで感じていた寒さが途端に和らいでいく。
それと同時にあたしの大好きな、甘い香り。
先輩の香り。
先輩がさっきまで着ていたジャケットは、まだ先輩の温もりが残っている。
で、でも先輩…
「寒くないんですか…?」
「大丈夫。俺、こう見えても暑がりだし。」
「そ、そうですか…?」
そうは見えないけど…
完璧に腕組んで寒そうだし…
絶対無理してるよね?
どう見ても寒そうにしか見えないけど、あたしにジャケットを貸してくれた先輩が可愛く見えてくる。
あたしは小さく微笑むと、先輩に抱きついた。

