先輩の後ろにやっと見えたのは、大きなベッドとテレビ。
モノクロに統一されている家具。
「先輩の部屋ですか…?」
「あぁ。」
“家に連れて帰るほど好きな奴がいなかったからな。”
先輩のさっきの言葉が、頭の中でリピートされる。
この部屋に入ったのも、あたしが初めて…
そう考えると、緊張感が増してくる。
「何考えてんの?」
「先輩のことですよ。」
なんだろう
先輩のことが頭の中をかけめぐっている。
いつもみたいなウキウキした気持ちじゃない。
不安で胸が押し潰れそう。
どこからかやって来た暗黙の黒い雲があたしの心を占領していく。
「明日。」
「え…?」
不意に頭の上で先輩の声が響いた。

