葵said──
ここはどこだろう…?
勢いで飛び出して来ちゃったのは良いけど…
偶々来たバスに乗って、降りたくなった駅で降りる。
そんなことしていたから、ここがどこなのかさっぱり見当がつかない。
しばらく歩くと、潮の香りがしてきた。
「…あ!」
決して、広告で見るような白い砂浜じゃないけど…
小さな海岸がそこにはあった。
少し伸びてきた髪が磯の香りのする風になびかれる。
小さな子供のように、靴を脱いで海で遊んだ。
プルルルル─♪
ふと、携帯の着信音が聞こえた。
電源は切ったはずなのに…
画面を覗きこむと、
“着信 非通知設定”
非通知…?
だ、誰?
ってか、出た方が良いの…?
いや…!
出ない!
携帯を指でつまんで、遠くへと放り出す。
気にしない
気にしない…

