「じゃあ先輩、俺帰りますから。」



ドアの方へと歩みを進めた。




その時…



一瞬視界が揺れた。



気付いた時に目の前にあったのは、




先輩の綺麗な顔だけだった。





「ちょっと…先輩…!」
「俺は…」



腕を捕まれて、先輩の胸元へと抱き寄せられる。




どうなってるの…?



なんで先輩はあたしを抱きしめてるの?



なんであたしは先輩の胸の中にいるの……?





先輩…?



「俺は………」




俺は…?




少し速い鼓動の音が耳に心地良く聞こえてくる。