「……葵…?」
っつうことは、前にいる女は彼女か?
会話は俺のいる位置が遠すぎるのか、何を話しているのかはわからない。
う〜ん…
そういえば俺って葵のこと何にも知らないな…
どこの中学にいたのかも知らないし……
当然、彼女がいるかどうかもわからない。
「あ。」
気付いた時には二人の会話は終わっていて、俺のいる方向へと歩き始めていた。
咄嗟に角の陰へと隠れる。
「…ん?」
ヤバい…
気付かれたか…?
葵はこっちを向いて、首を傾げている。
「どうしたの?」
「あ、いや…なんでもない。」
なんとか気付かれずに葵達は通りすぎてくれた。
……っつか、なんで俺隠れてんだよ…
別に悪い事したわけじゃねぇし…
でも、今さら外へでていくことはできなかった。
今さらだけど、もしもこの時いつものように話しかけるか、そのまま気にしないで行ってしまっていたら………
葵を泣かせることにも…
こんなことになることもなかったのかもしれない…

