「わかるか?」
「全ッ然。」
ふうっとため息をつくと、辺りを見回した。
あたしの応援に来ているらしい女の仔達は、あたしが動き出さないからなのか、ソワソワしている。
クラスの人達や愁、真治も不思議そうにこっちを見ている。
まぁ、当たり前だよね…
競技中に二人揃って黙りこんで、動き出さないんだから。
いや、そりゃあたしだって早く借りるもの借りて、ゴールしたいんだけど…
この文の意味がわからないことには……
………つまり、借りるものが何なのかわからないことには、動き出せない。
「どぉしよっか…」
あたしがそう言ったのも聞かずに、優斗は隣で両腕を組んで唸っている。
いちいち動作があほらしいけど、一応考えているらしい。
「…あ!!!」
唸っていたかと思うと急に大きな声をあげた。
う、うるさい…
仮にも今は競技中なんだから、もう少し静かに出来ないのかな……

