* * *



…あの日から1週間。
虹が出た日は無くて…というかむしろ、梅雨明けしてしまったかのように雨が降らない。
でも今日は雨が降っていた。そして午後は止む予定。
…おそらく今日は虹が…



「虹、出るんじゃねーの?」

「ゆ…ユウ!!」

「つーかなんでコクってねーの?」

「…それは…。」

「そういういざって時に言えないのが大翔だけど。」

「…余計なお世話だよ。」

「何の話?」

「雨音っ!!」

「おー…雨音。」

「そんなに驚かなくても…。
ところで何の話してたの?」

「えーっと…。」

「大翔は肝心なところでだめなやつだなって話。」

「肝心なところ?」

「うわー!!もういい!!つーかユウ!!お前…。」


そう言って窓から教室の方へと視線を移した時だった。


「あれー…もしかして…君…。」

「あのっ…ユウくんに…。」