温かみのある、優しい言葉。
『そっか』というたった一言の言葉に、彼の優しさや温かさが凝縮されているように感じる。


もう、閉じこもるのはやめにする。
でも『彼』を忘れたりはしない。
全部思い出に変えて、私は進むわ。
もしかしたら時には…置いて行ってしまうかもしれない。
だけど…絶対に忘れはしないから。














「あ…雨音…。」

「なに?」

「今度さ…っ…虹が出たら…また俺と一緒に見に…。」

「行く。」

「え?」

「またここで…虹を見たいな。
霧夕くんと一緒に。」



彼の顔がみるみるうちに真っ赤に染まっていくのを見て、私は笑いを堪えきることが出来なかった。
…今度がある。…今度、言おう。
私の中に生まれた、小さくて温かい気持ちを。