ユウがきょとんとした表情を浮かべている。



「なんで虹?」

「え、ユウ…知らねぇの?」

「何を?」

「屋上で一緒に虹を見たやつは幸せになれるって、うちの学校のジンクス。」

「ジンクスとかキョーミない。」

「言うと思った。」


俺だって信じてるわけじゃない。でも…


「そんなもん、本気で信じてるのか?」

「半分くらい…だな。でも、信じてるとか信じてないとかそういうのは関係ない。
俺はただ…。」

「ただ、なんだよ?」












「雨音と一緒に虹が見たいな、と思って。」



はぁーと深いため息がユウの口から出た。