* * *



「ま…とまらない…。」

「なにが?」

「上手く言葉が。」

「意味がわからない。」


…相変わらずユウはしれっと答える。
眠たげな顔だけをこっちに向けて、口を開く。


「放課後には雨止むってニュースで言ってた。」

「…だよなぁ…。」

「雨音に言うこと、まだ決まってねーの?」

「…全然。」

「もう水曜だけど?5日間もあっただろ?」

「それは…まぁ…そうなんだけど。」


ユウの言う通りだった。
雨音にああ言ってから今日で5日が経つ。
朝は降っていた雨が段々止み、曇り空は明るさを取り戻している。
…つまり、晴れる兆候アリだ。
これは本格的にやばい。


雨音に何を言えばいいかずっと考えてた。
でも答えなんて一つも出なかった。