* * *


「風邪は完治した?」

「一応…げほっ…。」

「咳、残ってんの?」

「多少…ごほっ…。」

「雨音とはどうなってんの?」

「うぇっ!!なんで!?」

「なんでってこっちが聞きたいんだけど。
お前が風邪で早退した日から噂でもちきり。」

「う…噂?」

「熱でよろけたお前の腕を雨音がしっかりと握って保健室まで付き添った。
挙句、その後も1時間ほど介抱。
それに…。」

「?」

「雨音のやつ、お前が休んでた3日間、お前の折りたたみ傘持って来てた。
どーゆーこと?」

「ユウ…お前…刑事になれる。」

「ならないけど。
つーか質問に答えろ。」

「…分かった分かった。話すよ。」


ユウは顔だけじゃなく勘もいい。
それに洞察力も。
言い逃れなんか出来るはずもない。