1年前のあの日。


降りしきる雨の中、たった一人
濡れることを拒む様子もなく
ただ雨に打たれる彼女がいた。


その姿はとても儚く、切なく、そして…
どうしようもないくらい美しかった。


息することも忘れていた俺は
彼女のその姿を見つめることしか
できなかったんだ。


濡れないようにと
傘の中に入れるべく
その手を引くこともできたのに。


あの日、もし俺が君の手を引いていたら
君は今、笑っていられるのだろうか?


君の雨を止めることはできたのだろうか?


…今年の君に、雨は降るのだろうか?