「カノジョ・・・?」


  えぇぇぇぇ!!

  何その反応・・・

  そんなんいないよ、とか

  言われたら、恥ずかしくて死ぬ!


  だいたいあたし、

  『こんなこと』って

  どんなことだよ・・・

  やらしぃ・・・


 「そんなんいないよ?」


 「でもっ、でもっ、

  弥生サン・・・はっ、

  カノジョです!!」


  何宣言してんだ・・・

  って思ってても、涙が止まらなくなる。


 「弥生はただの幼なじみだよ」


 「でも、こないだ・・・っ

  親しげに話してました!

  弥生って呼んで、りゅうって呼ばれてました!」


  あぁ、観察バレバレ。

  本人が否定してるんだから、

  あぁそうですかって頷けばいいのに。

  こんなこと言ったら、

  嫌われるのに・・・!!


 「幼なじみだから。

  そんなやましい関係じゃないよ」


 「でもでもっ、あんな美人なんですよ?

  それでも、

  恋には落ちませんか―――・・・っ!!」


  優しくなだめてくれてるのに

  完全無視で、

  あたしはひとり、爆走してしまう。