私はタバコを吸う。

でも、1ミリのメンソール。

タバコに依存している訳ではない。

ただ...他に息抜きの仕方を知らない。

タバコの煙を吐き出すのと同時に、私の中に溜まっているものが一緒に吐き出されるような。

そういう意味での息抜き。

辞めようと思えば、いつでもサヨナラできるタバコの存在。

でも、私は他に息抜きの仕方を知らないから。


ある意味、依存。しているのかもしれない。


吐き出された煙を見つめながらボーっとしてると、喫煙室のドアが開いた。


定時も過ぎたというコトで、他のメンバーもタバコ休憩にゾロゾロとやってきた。

うちの部署の男性陣は、ほとんど全員が喫煙者。

「お、椎名も居たのか。」

と轟サンに声をかけられた。

「ハ~イ、居ましたよ~。今日は息抜きしないと、さすがに疲れます~。」

なんて言ってると、

「確かに、休み明けだから忙しいよなぁ。」

と井上サンもウンウン。と頷いてる。



他愛もない話をしながら、束の間の休憩を楽しんで、またみんなでデスクへ戻って仕事を頑張った。


結局、この日は柊サンと一言も言葉を交わすことなく、21時まで仕事に励み疲れた体と残念な気持ちを引きずって、家路に着いた。