バレンタイン時期のスーパーは、色々なチョコであふれてる。

 綺麗に包装された箱。
 デコレーションされたチョコレート。

 誰かの為にじゃなくて、自分が食べたくなってくる。

 トリュフに生チョコ。
 大きな板チョコに冬季限定チョコレート!

 もう、どれもこれも美味しそうで目移りしちゃう!

 某有名メーカーの生チョコに心を奪われていると、背後から小さい女の子の声が聞こえてきた。

「みはねちゃんだ!」

 振り向くと、髪をツインテールに結んだ可愛い女の子――亜矢ちゃんが立っていた。

 亜矢ちゃんはあたしの家のお隣さんちの子。
 あたし一人っ子だから、亜矢ちゃんは本当の妹みたいに可愛いの。
 亜矢ちゃんもあたしのことを「おねぇちゃん」って呼んでくれたりして、その度にぎゅーってしたくなる。