『――以上で、今日の「お昼の放送」はおしまいでーす。火曜日の担当は、2年3組、周藤成都[ストウナツ]でした』

 軽快な音楽と一緒に、透き通った明るい声がスピーカーから流れてくる。
 昼休みのひと時を彩ったその放送が終了した途端、教室内は女の子達の色めいた声で溢れ返った。

「周藤先輩カッコイイ!」

 あたし、佐久間海羽[サクマミハネ]もその一人。
 顔もカッコイイのに声までカッコイイなんて、凄いとしか言えない!
 格好良すぎて、先輩が何を喋ってもときめいちゃう。

 一時の幸せをかみしめていると、親友の千佳[チカ]が含み笑いで近づいてきた。

「そろそろバレンタインじゃん。その先輩に頑張ってチョコ渡して来い」

「無理!!」

 あたしは即答して、購買で買ったパンの封を切る。