関わらないと言っていながら、



関わりたいと心のどこかで思っていて、自分はなんて複雑な奴なんだろうと少し笑えた。



でも決意の弱さに少し悔しくて、


不安になって、




自分の掌を強く握りしめた。





すると、頭からポンポンと優しく撫でられている感覚がして目線を上げると、


「ったく…。決めたんだろ?
唯璃は、突っ走ればいい。進めばいいんだよ。」




翔先生が呆れたような、優しい表情で私を見下ろしてそう言った。




「…私は、間違ってないんですかね…。…分からないんです。」


そんな翔先生に今まで誰にも言わなかった、…いや、言えなかった不安を呟いた。




「間違ってるかなんて俺にも分からないけど…。自分が間違ってないと思っていれば、それでいいんじゃねェか?」


言った後も撫でている手は止めずに、翔先生は続けた。


「自分が信じていればいいだろ。まぁ…少なくとも、俺は間違ってないと思っている。」




いつもより優しい声でニッと笑顔を向けられ、翔先生にそう言われた。



「…自分が信じていれば…。」




そう呟いた後、優しく撫でていた翔先生の手が勢いよく私の髪をわしゃわしゃと掻き回した。



「っわ?!」


「難しいこと考えんな。以外に、そんなもんなんだよ。」



ぐしゃぐしゃになった髪を整えながら、翔先生を見上げた。




今日の、先生は柄にもないことをいっぱいしゃべるな〜…。


それだけ元気づけようとしてくれてるってことなのかな?




じっと見上げていると、翔先生が少しムスっした表情になった。

なんだろうと首を傾げると、また頭の上に重さがかかった。



「うぇっ?!」


お、重い…っ!!


今までで一番重いいいっ!!!?