「え?だって「よっ!」
私の質問に答えようとしたひなちゃんの声を誰かが遮った。
驚いて見上げれば。
「は、颯…。」
見知った、幼なじみがいた。
「おぅ!あ、瀬川久しぶりー。」
「楠木、久しぶり。」
(ひなちゃんとは中学も一緒なので、颯とも知り合いです。)
「颯、いきなりどしたの?」
そう私が聞くと、颯は少し苦笑い気味になって私を見た。
そんな颯に?マークを浮かべていると。
「…実は、翔先生から伝言があってさ、唯璃にって。」
颯はそう言った。
「か、ける先生から…?」
驚いて、うまく言葉を口にできなかった。
翔先生。
達ノ宮翔(タチノミヤ カケル)先生は、
私が中学の時、部にコーチとして来ていたこの学校の先生。
そして、
───この学校の、陸上部顧問。
「…なんで?」
なんで、私に?
先生、私は────
「…なんでかは、知らないけど。今日の昼休みにでも来てくれ…っだってよ。」
颯が複雑そうな表情で言った。
「そっか……ありがと…。」
颯の目を見ながらそう返した。