「…よし、保健室行こう。」

いきなり、何か思いついたような顔をした望月はそう言った。




でました!マイペースっ!!

「って、先生いないかもよ?」

もう、放課後だ。
まだ、外は暗くなっていないけど空がオレンジ色に染まっている。





今、何時なんだろ…?


「行くだけ、行ってみる。」

「ちょっ、おろしていいから!!」

望月が抱っこしたまま、保健室に行こうとしたので慌てて、声をだした。


そしたら、望月がじっと私を見てきたので耐えられなくなって目をそらした。




「だめ。…あと、やだ。」

「は…?えっ?!」





やだってなんだよ!!

そこだけ、我儘な王子様だね!!?


望月は、変な声をだした私を無視して廊下を歩きだした。






なんなんだよ?!

この王子様はぁああ!!!






─────……

来る途中、5回は『おろして』と言ったがすべて華麗に流された。

幸いにも保健室に来るまで誰にも会わなかったけど。






ああ゙ーっ……

何ですか、この精神的な疲れは?!


足の痛みなんて忘れそうだよ!!

でも、やっぱ痛いけどねっ!!



そんなことを思っていると望月がいきなり私を見下ろした。

「わっ?!な、なな何?」



…人は不意打ちで整いすぎている顔をむけられると焦る。

私、どもりすぎ……!!


「ドア、あけて?」

「あ、はいはい。」




なんだ…、それだけか。

いきなり、見下ろすからで無駄にびっくりしたじゃんか…!!