望月は私の目の前に来ると目線を合わせるようにしゃがんだ。
そして、じっと私を見てきた。
な、なんか、
恐いんですけど…?!
「え…と、望月、何でここに?」
とりあえず、さっきから気になっていたことをおそるおそる聞いてみた。
さっきの女の子は冷たく返されたからな…(汗)
「あー…。歩いてたら、唯璃見つけて、なんか危なそうな雰囲気だったし、ついてきてた。」
あー…そうなんですか……
って、もっと早く助けろぉお!!!
だめだ。この王子様はだめだ!!
「…とりあえず、ここでよう。」
私の前で、しゃがんでいた望月が立ち上がってそう言った。
…うん、すごくマイペースだね!!
私、言いたいこと
全然言えてないよ!?
心の中で叫びながらも、望月と同じように座っていた床から立ち上がろうとした時だった。
ズキッ
「ッ!!」
「?唯璃、どうした?」
「いや、なんでもない。」
押されて転んだ時に挫いたのか、力をいれた右足首に、ズキズキと痛みが響いている。
…くそー……。
これじゃ、
まともに歩けないじゃん。
どうしよ……───
フワッ
ひとり、立てないまま座りこんでいるといきなり、体が浮く感覚がした。
「唯璃。」
名前を呼ばれ、上を見上げると、望月のドアッ──…
って、えっ?!!
ちょっ、今どんな状態!?
………な、
ななな、なんで、
『お姫様抱っこ』をされてるの?!
ちょっと王子、
何やってんのさぁああ!!?