2人は私を振り返らず、どんどん廊下を進んでいく。
あぁああ!!
どこに向かってるんだよ?!
恐いよ、この2人ー。
私の嫌な予感当たり、かもな…。
そんなことを心の中で思っていると、1つの空き教室の前で止まった。
うわ…、ここ初めてきた。
「神山さん。」
「え…?あ、はい。」
「今日、屋上に、行きました?」
ポニーテールの子が後ろを振り向かないまま、そう言った。
屋上……?
行ったことは、行ったけど…。
その事を言っていいのかな…?
「えーと…。行ってな「残念。」
「え?」
『行ってない』そう言おうとした時、長い髪の子にさえぎられた。
そして、その子が教室のドアを開けた。
は?私、どうな…──
ドンッ
「う、わっ?!」
後ろから、強く押されバランスを崩して教室の床に倒れこんだ。
「いたっ!!」
なんか、地味に痛いよっ!!?
ガラガラ、ピシャンッ!!
……、えぇー……。
なんだよ、それー。
床から体を起こして振り返ると、同時にドアを閉められひとり心の中で呟いた。
「神山さん。残念ですけど、私達屋上に行くの見たんです。」
1人がそう言うと、もう1人も続くように言った。
「…こんなこと、されたくなかったら次から近づかないでよ。屋上にも王子にも!」
……なんだよ、この人達。
別に、屋上も王子もあんた達の物じゃないでしょ。
あーあ。嫌な予感、当たったよ…
結局、王子のファンか…
私が何したっていうんだ!!
でも、ここで私が言い返せばもっとめんどくさいことになるよね〜。
……それは、嫌だ!!
「はぁー…、じゃあ、いつだしてくれるの?」
今度は私から2人に問い掛けた。


