「わっ?!なんだー、望月かぁ。」


びっくりしたー。

気配なかったよ(汗)

「…由輝が、おとりやるから。」


いつもの無表情で、望月はそう言った。

なんか怒ってる?…わけないか!



てか…おとりって、何のおとり?

「あのさー、お「宮比〜!!」

由輝くんの下から聞こえた大声で私の声は遮られた。



…邪魔された!!

「そろそろ、来るのかぁ?」


そう由輝くんは望月に聞いていた。



だから〜、誰が来るんだよっ?!

「うん。さっき、お前が大声だしたからな。」

「えぇ?!俺のせい?!」

「当たり前だろ。」


…温度差のある会話(笑)

ダダダダ──っ!!


「?!な、何?!」

私はすごい大きな足音?に驚いてドアが見えるように立ち上がろうとした。


グイッ

「ぉ、わっ?!」

いきなり後ろから腕を引っ張られ誰かの腕の中に入った。


…私、
今日腕引っ張られるの多くね?

「立っちゃダメ。」

「っ?!望月、耳に!!近いっ?!」

「いいから。しゃがんで。」

いや、
よくないからねっ?!

ものすごく、よくない!!


耳元で言われた声に私はまた赤面してしまった。

それでも、おとなしく抱きしめられたまま小さくなった。




や、やばい…。

私、なんでドキドキしてんの?!

そりゃあ、王子に抱きしめられれば誰でもなるよね?!そうだよ!!うん!

「…唯璃。」

「は、はいっ?!」



いきなり耳元で名前を呼ばれて、声が裏返った。



っ〜〜〜〜〜゙!!!

は、は、恥ずかしぃーっ?!




「ふっ…、大丈夫…?」

え、……。

い、今……?



驚いて、後ろを振り返った。

「っ?!あ、ぅ…。」


…、
言葉にならない

ってこれを言うのかな。



パニック状態のはずなのに、冷静に思った自分に笑える。




心臓が半端ないくらい大きい音をたてて、一回なった。



王子が…望月が、

わら…───



「「王子ぃいいーーっ!!!」」