次に聞こえたのは、由輝くんの
半端ない大声だった。
「はぁぁぁああああ?!!!」
う、うるさっ……
こ、鼓膜が破れる?!
校舎中に聞こえるような大声で叫んだ由輝くんは、望月の腕の中にいる私を引っ張りだして、肩を…てか全身??を
揺らし始めた。
頭とか、体全体が
グワングワン揺れてる?!
酔う!!
酔ってしまうよっ?!
あ、てか望月から脱出できた(笑)
「か、か、神山ちゃん!!!
し、知らないの?!!」
「し、知らないから、うっ!!聞いたんだよ、ぅ。」
は、吐く、ぅ?!
ゆ、揺らさない、でぇえ!!
グイッ
「うっ、あ?!」
「由輝…、おとり。やれ。」
いきなり、腕を引っ張られて由輝くんの手から離れた。
た、助かった…。
もうちょいで吐く…とこだった。
あ、てかおとり、ってなんだ?
「はぁあ?!そ「唯璃、こっち。」
「聞けぇえ!!!」
「黙れ。」
由輝くんの声を無視して、望月は私の腕を引っ張った。
「な、何かするの?」
「ここ、登って。」
登ってと言ったのは、はしご。
えー?
上に行くってこと?
「唯璃、早く。」
「あー、はいはい。」
私は、はしごに手をかけて登り始めた。
「宮比ぃ〜!俺、おとりなんて嫌だよ〜!!」
「黙れ。」
少し登って聞こえたそんな会話に笑いそうになりながら、上まで登った。
「う、わぁー…。」
あー、これ。
漫画である、屋上の上みたいな?
自分、アバウトだな(笑)
「唯璃、どうかした?」
突然、後ろから聞こえた声に驚いて振り返った。


