ダダダダ────…

あ、本当だ。
聞こえるー。足音?


「お、おい!宮比!!あいつらじゃねぇか?!」


あ、あいつら…ですと?


由輝くんが、少し青ざめた顔で望月の体を揺らし始めた。

「宮比ぃ〜!!俺、あいつら嫌なんだよぉお!!」


いつもの倍の音量で由輝くんが、叫んだ。



う、うるさい…。

てか、今だに望月の腕の中にいる私も揺れるんだけど!!


き、気持ち悪くなりそ、うっ!!


「…あー、あいつら?」

「って、おい!
 今、思いだしたの?!」


望月のやる気のない声に反応した由輝くん。


きみ、うるさいって。


「どーすんだよぉお!!」


由輝くんは、叫びながらその場にうずくまった。



えー、と。


あいつらって…

だれ?



1人、話が分からない私は何に、由輝くんが嫌がっているのか不思議だった。


「…隠れればいいんじゃね?」

「見つかるだろっ!!」


か、隠れる?

んー、分からない……



2人が言ってる意味が分からず、私の頭の上は『?マーク』が浮かんでいた。


「あ、あのさ…?」

今更だけど、聞いてみよう。




「あいつらって誰…??」