:宮比side


女なんて、ただギャーギャー騒いでる奴らだと思ってたけど、


唯璃は違う。

そう言える。


根拠はないけど…
まぁそうなんだよ。





「も、望月…あのさ…」

「…ん?」


まだ、顔の赤い唯璃が横を向いたまま、俺に声をかけた。



「…名前、言ったじゃん?
 離してもらって…。」

「やだ。」

「はう?!な、な、何故ぇえ?!」


俺を見上げて、唯璃が叫んだ。


声、でか。

「うるさい。」

「ひぃっ!?すみません!!」



…?

やだって言ったけどなんで、だ?

んー…。



ひとり不思議そうにしてる俺と、
腕の中でまた赤くなってる唯璃。



二人きりの屋上にうるさい音、

てか、人がきた。





ドタドタッ


バァアーーンッ!!



「もっちーーっ!!!俺だよー!!」



うわっ。


最悪だ、
まさかこいつが来るとは…

寝とけばよかった。



てか。ドアを開ける音の時点で、でかすぎなんだよ。

音が。

しかも、声もでかいときた。




あ゙ー、
うるさい。