:宮比side



「…え、えと。望月…?」


我ながら…らしくないことをしてるなーなんて思いながら、腕の中にいる唯璃を見下ろした。



…望、月…か。



「おっ…じゃない望月!!
 言った、よ…??」


見下ろしたことに、少しびっくりした唯璃は焦ったように言った。



…なんだろうな…、

唯璃には


王子より、望月より、


『宮比』
って呼んでほしいんだよな…。


『王子』なんて言われるのは好きじゃない。


てか、王子じゃないし。


思いっきり日本人だよ、俺。



これを、由輝に言ったら
爆笑されたけど…。


なんでか教えてくんないし。



あ、由輝ってゆうのは
白崎由輝(シロサキ ユキ)
男。

女みたいな名前って言うと怒る、うるさい奴。


あのうるさい由輝としゃべれる
俺をほめてあげたい。



あー…由輝はどうでもいいや。



んー…。

分かんねぇ……



唯璃に対して、何故そう思うのか考えていると腕の中にいる唯璃の顔が赤くなっていた。



…?

「唯璃…?熱、あんの?」

「うへ?!い、い、いや?!全然!!」



…外れるじゃないかってくらいの勢いで唯璃は頭を振った。


しかも、『うへ?!』って…。



「…本当に?顔、赤い。」

「あ、あ、赤くないよぉおっ!!」


「赤い、けど…?」

「も、元々このくらいだから!!」



何に、焦ってるんだ…?


変なの。


あー、
やっぱ唯璃はおもしろいな。