しかし待てども爆発は起きない。

皆恐る恐る耳から手を離し、薄目を開ける。

風間はすぐさまパソコンの画面を確認する。


「とっ止まった？」


すると寺崎もパソコンを覗き込む。

画面のカウントは残り３秒で止まっていた。


「とっ止まった！警部止まりましたよ！！」


寺崎が声を張り上げると漸く実感してきたのか風間や藤森、赤羽や渡辺も歓喜の声を上げる。

ただ一人、仁科だけは信じられないと言いたげに意気消沈した。


「なぜ…なぜだ…」


仁科は小さく呟いた。

すると藤森はすかさずパソコン画面に打ち込まれたパスワードを確認する。

そこには２４７３０と表示されている。


「渡辺、これは何の数字だ？」

「ああ、これは…

　２４７３０
―にしなさわ―」


すると渡辺はチラリと仁科を見た。


「彼は多分湯布院という方に奥さんになってもらいたかったのではないでしょうか…？」