「…っ!?」
目を丸くし、かなり驚いた表情の蒼空とばっちり目が合う…
時が止まってしまいそうなぐらい、スローモーションに流れた
驚きのあまり機能停止した身体
そして、そんな身体とは裏腹に
《えっ?えー!?蒼空だよね?本物の蒼空だよね!?》
動揺を隠せずうろたえる、あたしの中のあたし
お互いがしばらく、動けずに目を反らせずに固まる
追ってきたこと、バレたら…ヤバくない?
ふと心の中のあたしがそう呟く
そうだった…すっかり忘れてたけど、こっそり見つからないように蒼空を追いかけていたんだ
そう思った瞬間動揺は焦りへと変わった
偶然出会った風を装うか、それとも素直に謝るか…
身の危険を感じたあたしの頭は瞬時に言い訳を考え始める
すると表情も変えず固まっていた目の前の蒼空があたしから逃げるように背を向け一歩踏み出した
あたしもハッとする
えっ?ど…どうしたらいいの!?
もはや平常心を失ってしまっているあたしは、とっさに蒼空の腕を掴んだ
ジャラッと掴んだ蒼空の腕のシルバーアクセサリーが音をたてる
あたしは不意にそのアクセサリーに目をやった…
「…空?」

