「もー何それぐらいで拗ねてんのよ」
子供じゃないんだからさ
ふてくされる蒼空に聞こえるか聞こえないかぐらいの声でそう呟いた
「拗ねてねーよ」
「拗ねてるじゃん」
「拗ねてねー」
「拗ねてる」
お決まりの低レベルな争いの途中で蒼空が大きくため息をつき争いが中断した
「何よ?」
そう軽く睨み付けると蒼空は再び小さくため息を漏らす
「SONG OF SKY…だろ?」
「えっ?」
いま…SONG OF SKYって言った?
まさか蒼空の口から出ると思っていなかった言葉に驚きのあまり思考が軽く停止した
そして本当、理解力ねーのかよと微かに聞こえたその声にハッとして
「そ、そうだよ、SONG OF SKY!」
慌て返事を返す
「何んだSONG OF SKY知ってんじゃん、もしかして意外に蒼空も好きとか?」
そう茶化すようにニヤリと見つめると蒼空はフンと鼻で笑った
「嫌いだよ…」
え…?
「あんなアイドルぶったバンド…
大嫌いだよ…」

