大空の唄




間奏に入り俺は、ゆっくりと目を開け、会場全体を見渡した


後ろから真ん中、そして前列


絢音・・・


絢音は俺と目が合うとニコリと微笑んだ


そして


一文字一文字を見せつけつるかのように
ゆっくりと、はっきりと口を動かして




『がんばれ』と言いながら手を振っている


ふっ


俺は思わず笑いそうになるのを、ぐっと堪えた


お前に言われなくてもがんばるよ



『ばーか』



俺は不器用だ



そんなこと、自分が1番理解している



だけど、そんな俺でも何か伝えられるなら


何か与えられるならそう思うんだ