いつもと変わらないその笑顔も俺には悪魔のように見えた
心を見透かされているようなそんな感覚に陥り、俺は顔をしかめた
「あるんじゃない?」
まるで子供が親の言葉を真似るように
陽は翔の言葉をそっくり繰り返す
はぁ…こいつら疲れる
そう思ったのはそんな一言にざわざわと騒ぐ胸の音を隠すためだった
「うるせぇ」
俺はそれだけ言うと愛用の深い青色のギターを手に取って
アンプに繋ぎっぱなしだったエフェクターに繋ぐ
「1曲合わせるぞ」
「うぃ」
曲を合わせるときはいつも俺から合図する
翔も陽も何も言わないけど、いつも俺の心がベストな状態になるまで待っていてくれる
気を使われていると感じたことはないし気を使ったことはない
それは俺らの中では自然なこと
「じゃあ行くよ?」
いつものように陽がスティックを高く上げ×の字を作った
カンカンカンカンッ
静かになった部屋に響く無機質な音
それを合図に一気に3つの音が調和し一つになる
この瞬間が堪らなく好きだ

