大空の唄



空は視線をあたしから反らし
どこか分からない遠くを見ていた


その目は悲しそうで…
他人に弱みを見せないように無理しているようなそんな気がした


「元気だった?」


「…」


空があたしの問いかけに答えることはない


「何で無視するの?」


「…」


何で一人で抱え込もうとするの?


「あたしの目を見てよ」


あたしは、真っ直ぐ空を信じてるから…


「…」


それでも何も答えず、不機嫌そうに目をそらす空


その瞬間あたしの中の何かが
フッと切れたような感覚に襲われた


「何で目をそらすの!?」


そう叫ぶように言った瞬間
あたしは蒼空の両頬を両手で挟み
無理矢理自分の方に向かせていた


この行動にあたしの意思は存在しない


勝手に体が動いている感じ…


やっとあたしの方向いた蒼空の顔


しかし、その目はあたしの目を捉えてはいなかった