大空の唄



空が驚く理由は分かってる


「悪いとか悪くないとかの問題じゃねーだろ

俺は翔からのメールでここに来たんだ
今から新曲の練習するって

何で赤の他人のお前が来るんだよ」


赤の他人…その言葉があたしの胸に突き刺さる


「赤の他人で悪かったですねー

残念ながら翔たちは来ないよ?」


その瞬間空の表情が明らかに曇ったのが分かった


「はぁ?」


あたしは必死に溢れそうな気持ちを抑え1歩歩み寄る


「翔たちにお願いして空を呼んでもらったの」


「何で?」


冷たい態度が、視線が本物じゃないことぐらい分かってる


でも…


「空に言いたいことがあったから…」


「あっそ…」


でも…


そんな態度取られたら
いくらあたしだって心が折れそうになるよ