大空の唄



そんな日々の中で


空はお姉さんと共に、俺らがソコに来た2年後に施設長さんに連れられてやって来た


『今日からみんなと一緒に生活する梶原 蒼空くんと梶原 梨華ちゃんです』


『梶原 梨華です。中学1年生です
今日からよろしくお願いします』

空のお姉さん梨華さんはしっかりもので中学生と思えないほど大人だった


『蒼空も挨拶しなさい!』


『・・・』


『蒼空!!』


それとは逆に蒼空は無愛想で無口


『梨華ちゃん、いいのよ
蒼空君は5歳。陽平君や翔斗君と同い年だから仲良くしてあげてね』


『『はーい』』


「陽平君?翔斗君?」


言ってなかったっけ?
陽平と翔斗は俺らの本名


俺は風見 翔斗(カザミ ショウト)


僕は日向 陽平(ヒナタ ヨウヘイ)


返事はしてみたものの


俺は5歳ながら直感と第一印象でコイツは絡みにくいし気が合わない、そう感じた


だから話かけないでいよう


そう思っていた


でも…


『翔斗君、蒼空君に話しかけてみよーよ』


『えーでも蒼空君何か怖…って陽平君?』


『蒼空君遊ぼう』


気付けばコイツの姿はすでに空のところにあった


だってー先生が!


お前は相手の気持ちに鈍感過ぎんだよ!