大空の唄

YOO&SYOOside
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僕らが出会ったのは田舎にある小さな養護施設だった


3歳の頃すでに出会っていた俺と陽は同じ歳と言うこともあり同じ時期に施設に入ったこともあり気が付けばいつも一緒にいた


まるで、兄弟のように…


「養護施設?」


あぁ…俺と陽には物心ついたときから両親がいなかった


僕の両親は事故で他界


俺の両親は離婚


俺は母親に引き取られたがその母親が精神病を患って育児が出来なくなり俺はソコに預けられた


そう、後になって知った


施設にいる人はみんな元気で明るかった


でも僕たちは両親を知らない


『そうして猫ちゃんはお母さんとお父さんと幸せに暮らしましたとさ…』


知らないことが当たり前だったと言えばそうだけど


先生が読んでくれる絵本の中に登場する


"お父さんとお母さん"と言うモノに…


そのお父さんとお母さんに囲まれて幸せそうに微笑む猫ちゃんに


少なからず憧れを抱いていた


そして同時に計り知れない孤独を感じていた