「いいよなー空は
女の子からモテて。」


対談が終わり休憩の為に控室に入った瞬間


翔がふてくされたように椅子に腰掛ける


良い?これが?


「全然よくない」


むしろ災難。悪夢。


「仕方ないよ
空はリーダーでヴォーカルだから一番目立つし

ツンツンしてるとことか
意外と女の子ウケ良いんだよ」


陽がそう言ってテーブルに置かれたお菓子を頬張る


ツンツンって何だよ…


「ちぇーっ」


翔は相変わらず分が悪そうに
頬を膨らませているが


わざとだって事ぐらい直ぐに分かった


翔は女好きに見えて


意外と硬派だからな


はぁー


次は撮影か。


対談でこの疲労感なのに
撮影なんて乗りきれるだろうか


しかも撮影する場所にはもっとたくさんのモデルがいるはずだ


めんどくせぇー!


俺もエネルギー補給を兼ねて
テーブルにあったチョコレートを一粒摘まんだ


『今回の仕事はうちのお得意さんだ

絶対に失敗はするなよ!いいな?』


ふと社長の言葉が頭に浮かぶ


くそっ。誰に言ってると思ってるんだアイツは


俺らに失敗なんてあり得ない


絶対に、乗り切ってみせる…