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時の流れは早いもので…
先輩と付き合い始めて
もう1週間が経とうとしていた
「絢音、帰るぞ」
いつも先輩は玄関であたしが来るのを待っていてくれる
そして笑顔で頷くあたしを見ると
安心したように顔をくしゃくしゃっとして笑う
毎日がまるで夢のような日々
だけど、なぜか心のどこかにもやもやしたものがあるのにあたしは気付いていた。
「先輩はあたしのどこが好きですか?」
突然の質問に先輩は少し驚いた顔をすると
唸るように考え込んだ
「全部」
その笑顔に私の胸は高鳴る。
でも…何か物足りなさを感じている自分がいた
「全部はなしです」
「何で?」
「何でもです」
全部って言われて嬉しくない
って言ったら大嘘になるけど…
先輩があたしといる理由が単純に知りたかった
そしたら分かるかもしれない、そう思ったから
“あたしは先輩のどこがすきなの?”という問いの答えが
大好きな人と思いが通じ合ったのに、何か満たされない感覚がある理由をあたしはずっと探していた
時の流れは早いもので…
先輩と付き合い始めて
もう1週間が経とうとしていた
「絢音、帰るぞ」
いつも先輩は玄関であたしが来るのを待っていてくれる
そして笑顔で頷くあたしを見ると
安心したように顔をくしゃくしゃっとして笑う
毎日がまるで夢のような日々
だけど、なぜか心のどこかにもやもやしたものがあるのにあたしは気付いていた。
「先輩はあたしのどこが好きですか?」
突然の質問に先輩は少し驚いた顔をすると
唸るように考え込んだ
「全部」
その笑顔に私の胸は高鳴る。
でも…何か物足りなさを感じている自分がいた
「全部はなしです」
「何で?」
「何でもです」
全部って言われて嬉しくない
って言ったら大嘘になるけど…
先輩があたしといる理由が単純に知りたかった
そしたら分かるかもしれない、そう思ったから
“あたしは先輩のどこがすきなの?”という問いの答えが
大好きな人と思いが通じ合ったのに、何か満たされない感覚がある理由をあたしはずっと探していた