On The Wind




火曜あたりまでは、まだ2日しか経ってないと、時間の遅さに肩を落としていたけど。


気がつくと、もう金曜の夜。


明日は雪乃提案のダブルデートだ。


明日の服装を決めてるいると、机の上で鈍い振動音が鳴った。


少しビクついて、ディスプレイを見ると「雪乃」だった。


「もしっ!なに?」


「なによぅ、そのうざそうな出方は」


ぶぅっと口を尖らせているであろう雪乃の顔が目に浮かんだ。


「明日の服、何着てこうか迷ってんの!!」


「ふふ、恋してんじゃん」


雪乃様は嬉しいぞと続けたけど、頭は服のコーディネートをどうするかでいっぱいだった。


「服決まったら、うち来てよ。今日泊まりなよ」


「わかった、また電話する」


じゃあねも言わずパタンと携帯を閉じ、先ほど思いついた服をクローゼットから引っ張り出した。