On The Wind




落ち着きを取り戻したところで、雪乃が紅茶を用意してくれた。


「ごめん、私、帰るよ」

「いーの、もう勉強する気にもならないし」

ゆっくりしてってと付け足し、雪乃は紅茶へ砂糖とミルクを入れる。


「てゆうかさ、新垣先輩って俺の2コ上の?」

「そうです・・3-Bの」

私も紅茶へ砂糖とミルクを入れながら答えた。



「先輩、新垣先輩のこと知ってるの?」


「知ってるし、同じ部活だし、近所だし」


私よりも雪乃は驚いたリアクションをし、秋元先輩に食いついた。


「え、じゃあ・・・ダブルデートしよーよ」


勢いよく、紅茶が気管へ入った。


「げほ、ちょ、雪乃!」

咳は止まらない。