ふと目が合い、またあの笑顔を向けられた。

そのまま真剣な顔つきへ変わり、シェイカーを振る。

「あのギャップはやばいね、綾香」

同じタイミングで同じことを思ったから、図星すぎて
なぜか頬がまた熱くなった。


「お待たせしました」

サマー・ディライトもシャーリーテンプルも底は赤い色。
そこからグラスの中はどんどん薄い色へきれいなグラデーションを作り上げていた。


「きれい」

当たり前にこぼれおちる言葉を、新垣先輩は笑顔で答えた。

「ゆっくりしていってね」



夢の中みたいな空間で、探していたものを見つけた気がして
ほのぼのした時間を過ごせた。